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| 本紙編集長が見る、日本の社会と大学の未来 |
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| 第二十五回 10月17日の一橋新聞1091号の発行をもちまして、一橋新聞編集長を退任致しました。従ってこの「再世紀」を私が担当するのも今回が最後となります。そこで今回は、私がどのような意図でこのコラムを書いてきたかについて触れたいと思います。 学内外で起こっている事件を題材に、現代社会を読むというのがこのコラムの趣旨でした。しかし、現状分析や展望についてなら各々の専門家に適いません。 そこで、現実の事象はあくまでも切っ掛けとし、私自身の視点や考えをさらすことで自己の在り方を模索する一学生の姿を浮き彫りにしたいと考えました。 その中でも私が最も強く意識していたのは、私という個人は本当に存在しているのか、ということです。 人は固有の座標軸に従って内面の様々な要素を規定し、同一のベクトルを持たせることによってアイデンティティを保っているのだと思います。つまり、学問に対する考え方も、友情に対する考え方も、成分は全く違っても向きと大きさに通じるものがあれば、同じ人間の要素として同一視することができるのです。付言すれば、人それぞれに異なるそのベクトルが個性であり、座標軸とは信念のことです。 一方で自らを貫く基準を有していなければ、諸要素は互いに影響し合うこともなく混在しているだけで、アイデンティティは崩壊しており、そこに「個人」は存在しません。好き嫌いに応じて中身を出し入れする箱に甘んじたくはない。ではどうすれば自分で考え、判断し、生きていく個人になれるのか。 この問題に関連する個所の多いことに、自分でも驚きます。 未だその答えを得たわけではありません。しかし「再世紀」を書いてみて、例えば自分が当然に日本人でありながら、国家や法という概念について突き詰めて考えていなかったことに気付きました。 何よりも自分をじっくり見つめる良い機会が持てたと思っています。 半年間お付き合いいただき、ありがとうございました。 【美馬由芽】 |
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