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 5月28日(火)のコラム

当世就活気質

 如水会のMLで、ある企業の社長が「説明会や採用面接をすっぽかす学生が多すぎる」と嘆いていた。なんでも63名の参加予定者がいたのだが、実際参加したのは20名ほどであったという。

 「おーい、自分のやっている事は必ず自分にかえってくるぞぉ。」と、そのメールで書いていらっしゃったのだが、当の学生のほうは痛痒とも感じていないだろう。

 説明会や面接をサボるなんてのは、約束を一方的に破ることなんだから、企業にとって見ればそりゃ「今の学生はなんたることだ」をお思いになられて当然である。

 しかし企業にとっては奇怪ともとれるこの学生の感覚も、当の学生にとって見れば「まあ、そんなものじゃないの」という受け取り方であろう。

 何故、こうも感覚がこうもずれているのか。もちろん、学生気分が抜けきっていないだとか、甘えがあるなんてのもあるだろうが、今の就職活動のスタイルにもその原因を求めることができるのではないだろうか。

 そのスタイルの一つは、就職活動が「質より量」を求めるものになったということである。たくさんの企業の選考をうけて、「数撃てばあたる」式に就職活動をおこなっていくというものである。昔は、一人が受ける企業の数というのは片手で数えられるほどであったものだが、いまは20社30社、中には100社以上の選考を受けるという強者(?)もいる。

 廻ろうとする会社が多ければ多いほど、一つ一つの企業に対する思い入れは薄くなり、ゆえに面接や説明会を「気軽」にサボれるわけである。

 学生の間では、選考に残っている企業を「持ち駒」という風に表現し、「持ち駒はあと5枚」「持ち駒がきれちゃった」などと使う。この持ち駒という言葉の軽さが、ある意味居間の学生の企業に対する思い入れの軽重を表しているのではないか。

 さて、スタイルのもう一つが、就職活動の「バーチャル」化である。今の就職活動はこれまでよりお互い「顔が見えない」「声も聞けない」ものになっている。これも一昔前は、会社案内のパンフレットを請求するのにも手書きのハガキを出し、会社に直接電話をかけて、説明会や選考を申し込んだものである。しかし今は、パソコンのクリック一つで、資料請求だの説明会や面接の申し込みができる時代である。クリック一つで気軽に申し込んだような説明会を無断でサボっても、「人との約束を破った」という実感はわかない。感覚としては「テレビゲームのキャラクターが一人死んじゃったよ」くらいのものではないか。

 こうした状況に一石を投ずるべく、ある就職サイトは「顔の見える採用活動」というコンセプトを打ちたて、これに賛同する企業のみ掲載するなどしている。

 と、以上ここまで偉そうに「学生はなぜ説明会・面接をすっぽかすのか」を分析してみたが、それでもやはり「今の学生は甘えちょる!」といわれればそれまでではある。

【を】 

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