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 10月22日(火)のコラム

武士道外交2

 前回のトルコの話に引き続き、今回はポーランドの話。

 第一次世界大戦後の1919年、日本がポーランドのロシアからの独立を承認した 事により両国の国交は始まる。

 ところで当時、シベリアにはそれまでポーランドの独立をめざして反乱を企て た人が多く流刑されていた。そこでの生活は飢餓や疫病の中、悲惨なものであっ た。独立後も、まもなくポーランドとソ連との間で戦争となり、シベリアのポー ランド人は帰りたくても帰ることのできない状況であった。

 特に、親を失った子供などは極めて悲惨な状況におかれており、せめて子供た ちだけでも生かして祖国・ポーランドの地に帰したいという願いから、ウラジオ ストックのポーランド人が「ポーランド救済委員会」を組織し、欧米諸国に シベリアのポーランド人孤児の救済を要請する。

 しかしながら欧米各国はこの要請を断る。そこでポーランド救済委員会は、窮 余の一策として日本政府に救助を要請する。

 日本とポーランドは地理的にも大きく離れ、歴史的にも接点はこれまでほとん どなかった。国交はとりあえず結ばれているものの、外交官の交換も行われてい なかった。

 しかしながら、日本に到着した救済委員会会長ビエルキエヴィッチ女史の嘆願 に日本政府関係者は同情を寄せた。そして外務省は直ちに行動を起こし、日本赤 十字社に孤児救済の協力を依頼。日赤はすぐにシベリア孤児救済を決定。この間 、わずか17日であった。そして、さらに二週間後には、56名の孤児がウラジ オストックを出発し、日本に到着している。

 この救済劇については、国際派日本人養成講座 http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogindex.htm や以前、ポーランド大使館であった兵藤長雄氏の『善意の架け橋』(文芸春秋) を読まれたし。

 さて、ポーランドの孤児救出を短期間で決断、実行に移したということに対し て、驚くとともに、いまの外務省の体たらくと比較して、嘆息を禁じえない。

 特にかつて中国領事館への北朝鮮難民の駆け込みに対する日本人領事館の姿勢 を見ると、これが同じく国であるのかと思う。

 確かに、あのまま北朝鮮人に駆け込みを許し、中国憲兵に対し断固たる態度を とってしまえば、その後の日中関係にも影響し、大いに面倒なことになるだろう 。なるほど超大国・中国と揉め事を起こす事に利はない。

 そうして無難無難にずるずるずるずるとビジョンもなくその場をしのいできた のが日本外交であり外務省である。戦後日本外交史のなかで、なにか世界に誇れ るものがあるだろうか。結局は列強のご機嫌取りをしているだけである。
 
 いま、1920年と同じように難民の救出を要請されたとき、はたしてこの国 はあの時のような英断を下せるのだろうか。

 マツタケをもらった、もらわないで議論している状況を鑑みれば、NOであろう。


 とまあ、勝手に悲しんでみたりしたが、次週、もう少しほじる。

  【を】

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