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  1月21日(火)のコラム

当世一橋学生メディア論・1

 日本の大学新聞で、存続の危機に立たされているところは少なくない。一橋新 聞は、ここ最近賑やかになってきたがこれは稀なほうである。他の大学新聞では 発行休止というところが多い。それは不況による広告収入減なんてのも一つの大 きな要因であり、人手不足も深刻である。そして根本として、大学新聞の必要性 が低下しているということが考えられる。では、大学新聞の存在意義とは何か。 この御時世に大学新聞はどうあればよいのか、そんなことを以後3〜5回シリー ズでだらだら綴っていく。

 第一回は、いまの学生新聞の現状と問題にふれる。

 さて、現在の大学新聞を大きく類型化すると

  @政治や政策、社会問題に関する事項を扱うもの
  A学内に関する事項を扱うもの
  Bファッションなど学生生活を扱うもの
  C宗教団体や政治団体の機関紙的なもの
 
 というようにわけられる。Cについては今後の議論では無視するとして、@、 A、Bについてそれぞれ考えてみたい。

 @は欧米の大学新聞のスタイルである。政策に対してさまざまな意見を述べて いる。こうした大学新聞の影響力は大きく、最近でもアメリカで自分のことを批 難した大学新聞を議員が密かに回収したなどという事件が起きている。

 しかしながら、これを日本でやろうというのは現実を考えると難しい。まず、 筆力が足りない。加えて二次資料に頼らざるを得ず、そこから生まれる記事と言 うのは一般紙の投稿欄のような受け売りの記事になるか、青白い書生の理想論に とどまってしまう。また数多くの新聞やオピニオン誌があるなかで、大学新聞ま でもこうしたことを題材にしてはたして誰が読むのか、ニーズがあるのか、など ということが問題点としてあがってこよう。政治団体との関係も生まれ、不健全 な状況にもなりうる。

 Aは、今の日本の多くの大学新聞がとっているパターンであり、一橋新聞もこ の類型にあてはまる。

 このパターンの大学新聞が抱えている問題としては、やはりニーズの低下であ ろう。それは「大学」というものの存在の大きさが、大学生のなかで相対的に低 下していることに起因していると考えている。昔話になるが、一橋でも、文部省 が本学を縮小しようとしたところ、学生らが総決起して大学に立て篭もる「篭城 事件」なんてのが起こったことがあったが、昔は学生にとっての大学が占めるウ ェイトというのは半端ではなかったであろう。
 
 しかるに、今は「大学」についての関心は少ない状況である。それは、1つに「 サークル」や「ゼミ」、「自分の受講している講義」には関心があり積極的にコ ミットはしても、自分の属しているグループ以外の大学の動向については全く関 心がないということである。これは、学生大会の悲惨な状況などをみればよくわ かることである。また、もし5年後に「一橋大学はなくなります」という決定がな されても、抗議行動などをとる人はほとんどいないだろうし、まして「兼松講堂 に篭城したろう」なんて人はまずいないだろう。そのくらい「大学全体」に対し ての関心は低い。

 さらにもう1つは、学外での活動が多くなっているための関心の低下である。例 えばWスクールであり、NPOや様々な団体への参加などである。学外での活動 のウェイトが大きくなったため、大学のウェイトは小さくなり、関心も低くなる 。

 その上、個人主義的風潮が強くなり、それで例えばサークルへの加入率は最近 低下しているのだが、こうしたことも大学への関心を薄れさせている可能性があ る。
 
 このように大学への関心が薄れた状況においては、学内の事項の報道というも のへのニーズも高くはなく、他大学の大学新聞も苦戦を強いられている。

 Bについては、果たして大学新聞がこうした「軽薄」な内容を扱うことへの懸 念もあるが、さらにこうした内容を扱うメディアは学外に腐るほどあるわけであ り、そこで学生新聞が同じことをして意味があるのかという問題もある。

 と、以上、今の大学新聞の問題点をさらってみたが、次回は、今の一橋大学に 焦点を絞り、他の学内メディア等との関係を踏まえながら大学新聞の方向性など を考えてみたい。

  【を】

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