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  1月28日(火)のコラム

当世一橋学生メディア論・2

 前回はどこの大学新聞も苦戦を強いられているのよ、ということを書いたが、 今回は話題を一橋に絞り、そのなかで一橋新聞がどのようにあるべきかを、他の メディアとの関係の中で適当に綴っていく。

 さて、一橋大学には小さい大学ながら色々と雑誌の類があるもので、まず大学 が発行しているものとして、『一橋ニュース』、『国立学報』、『鐘』(図書館 )、『情報処理センターニュース』、『アゴラ』(教養教育)、『ブリッジ』( 留学生課)などがある。本題とは離れるが、大学がこのようにたくさんの種類の 発行物をだすのは如何なものだろうか。いっそこれらを一つにまとめてしまえば 印刷コスト削減にもなるし、学生にもより読まれるようになると思うのだが。官 僚制の弊害とでもいうやつか。

それはそれとして、大学以外としては、如水会が『如水会報』を発行している。 また、学生のほうからは、『PLUS』、『マーキュリー』、『プロ研ファイト』、 『ベンチャー通信』、『一橋祭新聞』、『オアシス(自治会報)』、『キャンパ ススコープ』などが出されている。また本題とは離れるが、『ネオ・ブディスト 』という仏教ミニコミ誌が置いてあったのは何だったのであろうか。

 さて、この前発行されていた『国立学報』。昨年までは、学部長や学生委員会 委員長などが、つまらない訓話をタラタラ書き述べていただけの印刷物であった のだが、今年は少し趣向を変えて、さまざまな立場の教員が思うところを書いて おり、これまでよりも面白くなっている。

 そのなかで、経済学部の早川毅教授は「学内外を元気にする情報発信のすすめ 」という記事を寄せられている。この稿で早川教授は、「社会の中に生きている 存在としての一橋大学を何らかのかたちで社会に理解してもらう意味を含めて新 しい情報発信の方法、具体的には『月刊新聞』の様なものを大学として考えても らえたら」と述べ、具体的な内容としては「多教官の研究結果の客観的な紹介」 「司法試験や公認会計士の合格者数比較、あるいは部活動の試合についてなど、 学生の活動の具体的できめ細かい紹介」「入学式等での学長のスピーチの速報や 新学長就任時の所信表明の発信」などをあげている。またこの稿では各部署で独 自に行われている情報発信を統合すること、また一橋新聞については「彼等の関 心のあるものを取り上げており大学の活動を全体的に見ているものでもないし、 年に数回の発行のようである」とし、批難ではないが、ただ氏が求める『月刊新 聞』像とは違うとしている。
 
 ちなみに一橋新聞は、今年度は学業期(つまり8,9,2,3月以外)には月 刊で発行している。また氏の言う「彼等の関心のあるものを取り上げており、大 学の活動を全体的に見ているものではない」という指摘はその通りであるし、ま た一橋新聞がこの『月刊新聞』構想のような役割を果たす必要も無いと思う。

 まず、関心の無いものを扱っても仕方がない。開き直るようであるが、「大学 の活動を全体的に見た紙面」を作るがために、興味のないものの取材し記事をつ くるというのは甚だ退屈であり、モチベーションがあがるものではない。今の新 聞部のWEBページの「今日のニュース」などは「大学の活動を全体的に見たもの」 に近いが、見る限り既にやっつけ仕事になっている感がある故、モチベーション があがっていないのが好例であろう。作り手に得られるものがないような活動で は、いずれ活動は止まる。もちろん、逆に興味のあるものを勝手にやればよいの かといえばそうではなく、その興味の範囲は読者の興味の範囲のなかにあること が必要ではある。ただ、それで無理をして「大学の活動を全体的に見た紙面」を つくることはないし、そもそも読者のニーズがあるのかという気も若干する次第 である。

 故にこうした『月刊新聞』は、氏の言う通りでもあるが、大学がこれまでの部 署毎であった情報発信を統合などによって発行するのがいいであろう。そうして 、大学の情報を広く掲載する。やっつけ仕事も多くなってくるであろうが、その 仕事をするのは「有給」の職員であるのだから問題無い。

 では『月刊新聞』が出されたら、今度は一橋新聞はどうあればよいか。思うに 『月刊新聞』が広い情報を扱うのなら、一橋新聞は深さでいけばよい。例えば部 の活動について、『月刊新聞』がその試合結果などを扱うのなら、一橋新聞は試 合にいたるまでをドキュメンタリータッチで描くとか、あるいは『月刊新聞』が 「カリキュラムがこうかわりますよ」というのを扱うのなら、一橋新聞は「○○ が問題になっている、カリキュラムを▲▲に変更せよ」といった提言を行うなど である。私が記者だったころ、他の記者と共に「英語教育を考える」という記事 を出したことがある。半年以上を費やし、大々的なアンケート調査などを行った りと随分しんどかった覚えがあるが、この記事のインパクトは大きく、英語教育 に関する部会ではこの記事が話題になり(むしろ槍玉にされた)、この記事に因 るのかどうかはわからないが、翌年から英1に選抜クラスが設けられたりしている 。今の選抜クラス制の良し悪しは別にして、一橋新聞が大学に与えるインパクト は大きいのだから、その力を十分発揮すべく、深い紙面を目指してみたらどうだ ろうか。

 ところで、今年度は特に一橋新聞が話題(ないしは槍玉)にあがる年であった 。セクハラ処分とカンニング事件による。一橋新聞では号外を発行し、また実名 報道などに踏み切ったようであるが、しかしこれに関する報道姿勢として「手ぬ るい」「もっと大学を批判すべきだ」などといった寄せられている。全くその通 りであるが、しかしまあ、あれが新聞の限界だっただろうなと思っている。一橋 新聞も一般紙のような限界と言うものがある。このあたりを具体的に述べること は避けさせて頂きたいが、しかし言いたいのは、世間では一般紙で書けないこと については、スポーツ紙や週刊誌などの雑誌が起爆剤となり、また雑誌でも週刊 朝日、週刊新潮から噂の真相までいろいろあり、いちばんヤバいネタは噂の真相 なとというように役割分担ができているが、一橋のメディアはそれがないという ことである。

 先のセクハラ処分のときは、『マーキュリー』が激しい論調でセクハラ問題を とりあげておもしろかったが、ともかくともかく一橋新聞以外のメディアがそこ で書かないことを書くというのは全体として良いシステムであると思っている。 責任放棄のように聞こえるかもしれないが、現実的にはこれがベストであると信 じている。

 自分も以前から、一橋大学のなかでの雑誌、例えば「一橋新潮」とか「一橋の 真相」なる雑誌をつくり、新聞で扱えないようなことを書くメディアを作ってや ろうかと思ったことがある。そして役割分担するだけでなく、切磋琢磨しお互い に成長していくということを夢見ていたのだが、もはや自分は卒業である。ただ 誰かに「一橋の真相」を立ち上げて欲しいものである。

   さて次回は、一橋のインターネットメディアについてふれる。

  【を】

2003年度
 1月21日のコラム(当世一橋学生メディア論・1)
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